平成28年4月現在(外来担当医表は毎月更新)

外科 舟山 裕士

(こちらから中国語で閲覧可能です)

1.痔核(じかく)

 いわゆる「いぼじ」です.肛門のなかにできるものを内痔核と呼び、外にできるものを外痔核と呼んでいますが、一緒にできるものもありますし、つながっているものも多くあります.

原因は、便秘や下痢、女性では妊娠や、排便の時に気張りすぎるなどがあげられますが、ほかには、長時間座っている仕事や女性では妊娠などで骨盤にうっ血(血液がたまった状態)で肛門部の血液の循環が悪くなることが原因として考えられています.

 症状は、痛み、出血、脱肛(肛門の外に飛び出す)などがあります.
 治療は、薬を使う場合と、手術とがあります.まず、薬による治療ですが、肛門内に軟膏を塗る軟膏療法や坐薬を肛門内に挿入する坐薬治療がありますが、これに腫れ止めや便秘薬などの飲み薬を症状に合わせて治療します.手術には、痔核を切り取る結紮切除術が最も多く行われています.また、粘膜脱を伴っているものにはピーピーエッチ(PPH)を行うこともあります.最近は、硬化療法(ジオン注)で切らずになおす治療もおこなっております.

結紮切除術

PPH

硬化療法

 

 

2.裂肛(れっこう)

 「きれじ」と俗にいわれているものです.硬い便がでたときに痛みとともに出血するのが急性裂肛で、一般によくみられるもので比較的治りやすいのですが、何度もくり返すと治りにくく慢性化し慢性裂肛となります.慢性裂肛は、痛みが強く肛門が狭くなるので太い便が出にくくなり、肛門ポリープや皮垂(ひすい:みはりいぼ)を伴うこともあります.
肛門が狭くなり、痛みが続く場合には、手術が必要となることもあります.

裂肛

 

 

3.痔瘻(じろう)

 痔瘻は肛門のなかに感染がおきて、肛門の外にむけてトンネル状のあな(痔瘻)ができ、これより膿が出てくる状態をいいます.最初は、肛門のわきが腫れていたくなり、ひとりでに破れて膿が出て痛みがひくのですが、痔瘻が治ったり、悪くなったりをくり返します.

 原因は、下痢のために肛門内に感染をおこし化膿することでおきますが、炎症性腸疾患のひとつのクローン病でも合併しやすい病気です.

 痔瘻は、軟膏療法などで症状は緩和されますが、治りにくいものには手術が必要です.手術は、切開開放術が一般的ですが、肛門機能の低下が心配な場合には括約筋温存術が用いられます.治りにくい場合には、シートン手術(痔瘻にゴム紐をとおす)で時間をかけて治療することもあります.

 

4.直腸脱(ちょくちょうだつ)

  大腸の一番下の部分を直腸とよびますが、その一部が肛門より外に脱出するものを直腸脱と呼びます.高齢者で骨盤底筋が弱くなって直腸を支えきれなくなって脱出する場合が多いのですが、なかには少数ながら若い人でもみられます.脱出すると痛みや、便や粘液の漏れがおきます.

治療には手術が必要です.高齢者で手術が肉体的に負担となる場合には、肛門側からの手術を行います.肛門をテープで締めて直腸を戻してやる三輪-ガント-ティールシュ手術があり、よく行われていますが再発が多い欠点があります.当院では、直腸を縫い縮めるデローム手術や経会陰的直腸部分切除術(アルテマイヤー手術変法)を、また、若年者に対しては、腹腔鏡下直腸固定術を行っております.

このページの上部へ移動
©2007 The Japanese Red CrossLanguage Service Volunteers Web Services.