骨粗鬆症リエゾン

北純
北 純

近年、臨床の現場では骨粗鬆症性骨折は増加を続けており、地域医療における大きな問題となっております。一方、骨粗鬆症の診断・治療の進歩は目覚ましく、脆弱性骨折の予防をはじめとする良好な成績が日々蓄積されております。

骨粗鬆症の診断・治療の進歩を社会に還元し、骨折の発生を減らす方法の一つとして、高齢者人口に対する、骨粗鬆症の診断・治療の普及が全国で進められつつあります。
骨粗鬆症リエゾン活動は、多職種の医療従事者がチームを組み、骨折リスクの高い高齢者に骨粗鬆症の検査・治療・脆弱性骨折の予防を促す取り組みです。

3つのR

  1. Risk focused 骨折リスクの高い高齢者に検査・治療を促す
  2. Regional cooperation 地域医療連携を活用する
  3. Reproducibility 再現性・継続性・広がりのある活動を行う
Risk focused

脆弱性骨折の危険因子を評価し、骨折リスクの高い方々に骨粗鬆症の検査・治療を受けていただこうという意図です。
年齢や性別、脆弱性骨折の既往、ステロイド治療などの骨折リスクに応じた診断・治療を心がけることで、医療資源の適切な配分、費用対効果の最大化、合併症の発生減少といったメリットが生まれるものと考えます。

Regional cooperation

既存の地域医療連携を最大限に活用し、診療圏全体に骨粗鬆症治療を広げていこうという意図です。
市内の診療所や高齢者介護施設、包括支援センター、医師会との連携を有効活用することで、未検査・未治療の高齢者の方々を骨粗鬆症の検査・治療につなげていけるものと考えます。

Reproducibility

リエゾン活動を、再現性・継続性・広がりのある活動として行っていこうという意図です。
ガイドラインなどの再現性の高い診断・治療手順を活用しながら、継続的に活動していくことで、連携の規模が拡大しより多くの方々に検査治療を受けていただけるものと考えます。

仙台赤十字病院の骨粗鬆症リエゾン活動に対する皆さまのご意見・ご要望をお寄せくださいますよう、お願い申し上げます。

(更新予定)

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