卵巣は、子宮の両脇にある臓器です。ときに卵巣が大きく腫れることがあり、それを卵巣腫瘍と呼びます。
「腫瘍」というと、びっくりしてしまう患者さんが多いのですが、悪性とは限らず、良性のものも含む呼び方です。
今回は良性の卵巣腫瘍についてのお話です。
卵巣には様々な種類の腫瘍ができます。例えば漿液性腫瘍(内容は水っぽい液体)、粘液性腫瘍(内容は粘液)、皮様嚢腫(内容は皮膚や脂肪、毛髪など)、内膜症性嚢胞(内容は古い血液)などです。
また、ホルモンの影響により発生するものもあり(黄体嚢胞)、その場合は時間が経つと消失します。排卵後に卵巣内で出血をすることにより、卵巣が腫れることもあります。
いずれも大きくなると卵巣腫瘍がねじれてしまう場合があり(茎捻転といいます)、かなりの痛みが出て、放置すると卵巣が壊死してしまうこともあります。
茎捻転がおこると緊急手術が必要になるため、5cmをこえる卵巣腫瘍は手術をお勧めしています。