研修医 採用情報

令和6年度の初期研修医募集は終了いたしました。

目標

高潔な人格を備え、医師に対する社会の要求と を十分に認識し、専門性にかかわりなく、日常的疾患・病態に対応する、いわゆるプライマリーケアの能力(態度・技能・知識)を持つ医師になる。

特徴

基幹型臨床研修病院としての研修を行う。プライマリーケアに対応するために、プログラムは経験目標に定められた必要項目を2年間に確実に達成できるような内容にした。自由選択期間を活用し、自主性のある研修を行えるプログラムとなっている。

行動目標の概略

  1. 本院医師として、必要な各種取り決めを知るとともに、各種オーダー方法や各診療科支援組織の利用等、基本的病院機能利用法を修得する。
  2. 受け持ち医として、指導医の下に診療を行う。
  3. 一定期間の研修後から、副当直医として救急医療に必要な諸検査の実施法を学びながら救急患者への対応能力を修得する。
  4. 救急医療は、研修中に仙台医療センター、仙台市立病院、石巻赤十字病院、秋田赤十字病院のいずれかの施設にて4週の研修を行う。
  5. 各診療科の研修にあたっては、将来、選択した専門性に関わらず、一般的一次救急患者に対応可能にし、かつ、その診察後に、必要に応じて各領域の専門医に、患者を的確に紹介できる能力を修得する。
  6. 研修2年目の自由選択研修期間を有効に活用して、自主性のある研修を行う、なお研修医は、プログラム責任者と相談の上、当院における全ての診療科での研修が可能である。

プログラム責任者より

三木 誠
プログラム責任者 三木 誠

医者という職業は最高です

仙台赤十字病院プログラム責任者として、初期研修教育おいて意識している5つのキーセンテンス(キーワード)を以下に述べます。

See much, do much, teach much!

アメリカあるいは日本の名だたる研修病院の上級医から言われる言葉に“See one, do one, teach one!”があります。上級医の手技や知識などを一度見たら、次は自分で実行し、そして修得したら下級医に教えろという意味です。経験が乏しいことに対して、最初は誰でも恐れを抱きますが、失敗(もちろんマイナートラブルが生じた時点で上級医の指導を仰ぐ必要がある)を重ねていくうちに覚えるものですし、さらに教えるという行為は実は最高の学びでもあります。一回見て心配だったら確信が持てるまで何度でも見れば良いですし、何度でも行うことも大切だし、何回も教えることよって確固たるものになりうると考えます。

ただし、一番注意しなければいけないのは、少しできるようになり自信を持ち始めた頃で、大きな失敗を起こしやすいのです。医療職は命を預かる職業だけに、取り返しのつかない過ちだけは避けなければなりません。

他人に指導を受けたり、叱られたりする初期研修の時代は貴重で、自分の過去を振り返ると、失敗の数だけより知識や手技の正確性が高まったような気がします。「上手は下手の手本、下手は上手の手本なりと工夫すべし」。初心を忘れず、常に患者から学ぶ姿勢を大事にしたいと思います。

修・破・離

「学ぶ心深ければ、師は姿をあらわす」という言葉のように、初期研修においては、まず学ぶ姿勢が基本です。昔、室町時代の頃、諸芸百般や商売の道などを極めるための3段階を表した仏教用語に修・破・離(範を修め、範を破り、範を離れる)という言葉がありました。日本の伝統芸能(茶道、武道、芸術等)における師弟関係のあり方の一つで、「修」はその道の基礎をしっかり修め、基本をマスターする、「破」は師匠などの教えを突き破って自分独自の創意を加える、「離」は手本を離れ、自由自在、融通無碍の境地に入ることを意味します。

医学は、サイエンスであり学問で、限りなく真実に基づかなければなりません。医者に成り立ての頃は、指導医・上級医の教えを理解して、診療行為をひたすらまねることに努め、人並みに患者を診れるようになるのを目標とします。しかし、一人一人の患者を診ていくうちに、指導医や上級医の真似だけでは診断や治療が困難な患者がいることに気づき、「破」る行為が生まれます。そして、そこから「離」れ、また新しい概念や診断・治療法を生み出すようになります。こうして、医学も発達してきました(研修医には5年以上前の教科書や論文には、今の常識と異なることが記載されている可能性があると注意を促しています)。Up to dateな知識をとりいれ、日々の自分の診療を振り返り、熟考して新たなことを見出すことは、基礎研究の分野だけでなく臨床現場においても重要だと思います。

“日々、精進、精進。下手(研修医)でも学ぶところがあると、達人(指導医)は謙虚なり。”

大医、中医、小医

中国の古い諺に、「小医は病を癒し、中医は人を癒し、大医は国を癒す」があります。日常臨床に追われていると、ルーチンワークをこなすのに精一杯で、バックグランドや心情を含めた個人全体を見忘れがちになり、時に微小医(・・・)になってしまっているかもしれない自分に気づきます。国レベルで医療を考えていく人間になる前に、目の前の患者さんをきちんと隅々まで見渡し、診ることができる医者を目指してもらいたいと思います。

Last man standing

重症患者を診るたびに思い出す言葉に“Last man standing”があります。これは、ブルースウィリス主演の映画(1996年米国制作の西部劇)のタイトルにも用いられましたが、“(戦いの末、たとえ撃たれて傷だらけでも)最後まで立っていられた者が、勝者になれる”という意味です。

医者は神様ではないし、ヒトには寿命があります。しかし、それでも「自分が諦めた時が、患者にとっても最後の時だ」と言い聞かせて頑張り続けるしかない場面があるのです。成功とは自分の決めたエンドポイントに到達することであり、諦めなければ必ず達成できることを信じていたいと思います。

“カジノで勝つ方法は、勝つまで前回の倍の金額を賭け続けることである!”

Be better doctors than we were!

残念なことに、失敗しない人間はいません。後医は名医というように、限られた情報や知識の少ない状況では誤診することや治療に失敗することもあるでしょう。それでも、過去の自分よりも進歩するためには、「失敗」から学びフィードバックできる環境が重要です。

経験値が高まるとウェイパワー(不安定な状況でも見通しが立つ力)が、成功経験を重ねるごとにウィルパワー(困難があっても最後までやり遂げる意志の力)が身につきます。この2つのパワー以外に人生において重要なのはレジリエンス(逆境(ストレス)に負けない力)です。レジリエンスは、状況に一喜一憂しない感情の安定、自分を過小評価しない自尊感情、成長前進していると感じる事ができる自己効力感、失敗してもいつかできると考える楽観性などによって生み出されるため、人間性も魅力的な仙台赤十字病院の指導医・上級医と過ごす時間はとても有意義だと思います。

最後に

医者ほど感謝される仕事はないと思います。
それだけに責任は重大ですが、一緒に成長できたら幸いです。

研修医より

年次報告

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