はじめに
研修医1年目のTです。特に話の「おち」があるわけではないのですが, 1年間で感じたことを思うままに書かせていただきました。
Sendai Red Cross Hospital
地下鉄東西線八木山動物公園駅からひたすら坂をくだった場所に私の拠点があります。帰りはひたすら登り坂, まさに私の人生のようです。さらに近くで熊は出る, 冬は積雪に路面凍結, 一度滑れば止まれません。
それでもこの職場を第一志望にしたことに後悔はありません。
患者像
当院は2次救急であり, Common Diseaseを学ぶにはもってこいの病院だと思っています。そしてそれ自体が志望動機の1つでありました。発熱, 呼吸困難, めまい, 意識消失, 嘔吐, 下痢, 腹痛など様々な患者さんと日々対面しています。
しかし, 時には, 他の患者さんたちに紛れてwalk-in SAHやAAA切迫破裂などの超緊急疾患の患者さんがやってきます。しかも医学部で学んだような主訴とは程遠い症状でです。
働く前は「重症な患者さんはうちには来ないな」と勝手に思っていましたが, 働いてみて「患者さんを診る目を養うにはもってこいの場所」だと強く感じています。
印象深い経験
印象深い経験を1つ紹介させていただきます。なんとこの私が初めて主治医となったのです。もちろん上級医のアドバイスはあるものの, 基本的に全て自分で考えて治療内容を組み立てました。日々の回診, 治療の方針, 内服薬の調整, 他科への紹介, 予期せぬトラブルへの対応, 退院支援など。私が2ヶ月間循環器内科を回った時のことです。数日前に私が当直で入院させた患者さんの担当科が当科となりました。
その際に指導医から「せっかくだから1人で最後まで診てみる?」と思いがけない一言を言われました。そこからは, 忙しいにもかかわらず, とても幸せな日々でした。もちろん担当患者さんの重症度はそれほど高くはありません。
そうは言っても初めての主治医であり, 私の奮闘の日々が始まりました。原因の検索, 経過を見ながら降圧剤など内服薬の細かな調整, 食事や便秘などに対する指示, 併存症の悪化やインフルエンザ感染への対応など様々と経験しました。
降圧剤や緩下剤の選択, 他科への紹介, 輸液や抗ウイルス剤の使用有無やどれを使うかなど, 頭をフル活用して考えました。さらには退院に向けたリハビリの実施, 診療情報提供書の記載を行いました。
最終的に約50日かけて無事退院となりました。私は, 自分自身にとって, この仕組みが一番勉強になると思いました。なにより, 自分で考え, 能動的に動く必要があります。責任も重く, 曖昧なことはできません。病棟から問い合わせの電話もたくさんかかってきましたが, 自信を持って指示を出すことができました。私を成長させてくれた大変貴重でかけがえのない経験です。
おわりに
周囲の多くの方々に支えられ, とても充実した研修生活を送ることができています。「1人では何もできない」と日々強く感じます。周囲の方々とのつながりを大切にしながら, 今も, そしてこれからも患者さんと向き合っていきます。